PR

放課後、数字の向こう側。第1話「消えた十五グラム」

放課後の図書室で経済と投資を学ぶ女子高生 AI連載小説

【フィクション・投資に関する注意】
本作は架空の小説です。人物、企業、商品、学校、出来事などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。本作は特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクがあります。実際の判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

『放課後、数字の向こう側。』全30話中 第1話

高校二年生の相沢澪が、身近な出来事を入り口に、投資と経済の仕組みを一つずつ確かめていく連載です。

第1話

放課後、相沢澪は駅前のコンビニで、いつものヨーグルトを買った。価格は百五十円。小銭をぴったり出したのに、鞄へ入れたカップが妙に軽い。

帰宅して冷蔵庫に残っていた先週の空容器と並べると、底の位置が違った。表示は百グラムから八十五グラムへ変わっている。値札は同じなのに、中身だけが十五グラム減っていた。

翌日、澪はその話を経済部の顧問、真鍋先生にした。

「損した気分です。黙って値上げしたみたいで」

先生は答えず、製造会社の決算資料を開いた。原料乳、容器、輸送費の欄には、前年より高い数字が並んでいる。売上は増えているのに、利益は減っていた。

「会社って、売れた金額が全部もうけじゃないんですね」

澪はノートへ、百五十円の円を描いた。そこから原料代、工場の電気代、店まで運ぶ費用を引く。残った部分は、想像よりずっと細かった。

それでも納得したわけではない。量を減らす前に知らせてほしかったし、買う側には別の商品を選ぶ自由がある。

先生は、株を持つとは、こうした判断を続ける会社の一部を持つことだとだけ話した。

帰り道、澪は同じ棚の三商品を手に取り、価格ではなく内容量と原材料を見比べた。レジへ持っていったのは、昨日とは違う大きなカップだった。少し高かったが、スプーンを入れる回数まで減らしたくなかった。

人物紹介
相沢澪(あいざわ・みお)
十六歳の高校二年生。身近な違和感を放置できず、分からない数字は自分で確かめたくなる性格。投資経験はなく、日常の出来事から経済の見方を学び始める。

タイトルとURLをコピーしました