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【AI連載小説】夕闇ノートと水路町の25日 第08話「旧水門の低い音」

夕暮れの清瀬・東久留米を歩く中学生の少女のイラスト AI連載小説

この話はフィクションです。舞台となる町や施設、人物、出来事は創作です。実在する地域・団体・人物とは関係ありません。

第08話 旧水門の低い音

旧水門へ続く坂は、住宅街の端から急に細くなった。柵の手前で地面から低い唸りが伝わり、澪の足裏から胸へ上がってくる。時刻はノートに新しく記された十八時五分だった。

悠斗は電車、排水ポンプ、風向きを順に調べた。音の正体は水門裏の金属板で、風が抜けると振動する。板には新しい工具傷があり、誰かが今日鳴るよう角度を変えたことも確かだった。

柵の向こうには白い布が引っかかり、黒い線で古い水路網が描かれていた。立入禁止を越えずに回収するため、二人が管理事務所へ電話していると、音が突然止まった。風は吹き続けている。

振り返ると、坂の上に作業着の人影が立っていた。夕日を背負って顔は見えず、澪が森戸さんの名を呼ぶと、相手は角の向こうへ消えた。追いついた場所には、濡れた靴跡だけが残っていた。

管理員に取ってもらった布には、三つの黒丸と『七つ目を写せ』という走り書きがあった。布は乾いているのに川底の匂いがし、透明袋の内側がゆっくり曇った。

帰宅後、澪は初めて母へ調査の一部を話した。危ない場所へ二人だけで入らない、行き先を伝える、柵を越えない。決めた規則を調査ノートの最初に貼ると、恐怖に押されていた行動へ、自分たちの意志が戻った。

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