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【AI連載小説】夕闇ノートと水路町の25日 第11話「もう一冊の調査ノート」

夕暮れの清瀬・東久留米を歩く中学生の少女のイラスト AI連載小説

この話はフィクションです。舞台となる町や施設、人物、出来事は創作です。実在する地域・団体・人物とは関係ありません。

第11話 もう一冊の調査ノート

古い調査ノートには、二十五年前の生徒五人が歩いた記録が残っていた。見通せない曲がり角、増水時に滑る坂、照明の切れた地下通路。怪談の場所と、現実の危険箇所が一つずつ重なっている。

ページの上には沙耶の字で、『怖い話にしない。理由を書く』とあった。澪は自分たちが集めた記録を隣へ置く。同じ場所を、同じ年頃の子どもが、二十五年隔てて測っていた。

最後の数枚は破り取られ、直前のページに『大人に出す』とだけ残る。提案書を作りながら、提出できなかったらしい。破れた紙の繊維は、図書室の冊子から採取したものと色も古さも一致した。

悠斗は、誰かが二種類の欠落を意図的につないでいると考えた。昔の調査ノートから消えた結論と、七不思議冊子から最近消えた案内。黒いノートは、その空白を二人に歩かせている。

澪はこれまでの推測欄を読み返し、怪異という語を消さなかった。人の仕掛けで説明できる部分があっても、ノートが戻ったことや壊れたテープは残る。わからないものを、わかったふりで閉じないためだった。

帰り際、棚の奥から紙の落ちる音がした。拾った卒業アルバムのコピーには、五人のうち一人の名前だけ黒く塗られている。光へ透かすと、その下に『森戸沙耶』と読めた。

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