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【AI連載小説】夕闇ノートと水路町の25日 第01話「欅坂駅、置き忘れの黒いノート」

夕暮れの清瀬・東久留米を歩く中学生の少女のイラスト AI連載小説

この話はフィクションです。舞台となる町や施設、人物、出来事は創作です。実在する地域・団体・人物とは関係ありません。

第01話 欅坂駅、置き忘れの黒いノート

七月の終わり、澪は欅坂駅のベンチで黒いノートを見つけた。夕方六時前の駅前は、塾へ急ぐ子どもや買い物帰りの人で混んでいる。それなのに、ノートの置かれた端の席だけが、そこに見えない水たまりでもあるように空いていた。

表紙に名前はなく、光へ傾けると細い線が幾筋も浮かんだ。澪にはひび割れに見えたが、同級生の悠斗は、暗渠になる前の町の水路図に似ていると言った。郷土資料を好んで読む彼らしい答えだった。

最初のページには、澪の字を少しだけ大人びさせたような筆跡で、『二十五日後、町の灯りが一度消える』とあった。日付も理由もない。澪はいたずらだと笑おうとしたが、紙が真夏とは思えないほど冷たく、指を離した。

二人はページを撮影し、駅前交番へ届けた。応対した巡査は拾得物の札をつけ、確かに棚へしまった。帰り際、澪が振り返ると、閉じたはずのノートのページが一枚だけ立ち、誰もいない窓口の奥でゆっくり倒れた。

改札の時計が六時を打つと、悠斗のスマートフォンに撮った覚えのない写真が増えていた。黒いページの上を、駅から夕鳥川へ向かう白い線が走っている。画像情報には撮影時刻だけがあり、撮影者の欄は空白だった。

澪は家に帰っても、交番の棚にあるはずのノートを考え続けた。予告が怖いのではない。自分の字に似せて書いた誰かが、自分の帰り道まで知っている気がしたからだ。眠る直前、机の引き出しの奥で、乾いた紙をめくる音がした。

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