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青の余白で、生きている。第45話「新しい年」

AI連載小説

【フィクション】本作は架空の小説です。人物、島、船舶、企業、事故、地名、救助活動などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。作中の行動は物語上の描写です。実際の災害時には、公的機関の指示と専門的な安全情報を優先してください。

「青の余白で、生きている。」全50話中 第45話
二〇二七年一月一日。海難事故で無人島へ流れ着いた中学生・水城ひまりが、水、食料、住居、衣類、通信手段を確保しながら、救出までの一年を生き抜く現代サバイバル連載です。

前話まで

十二月、二人は漂着物で小さな飾りを作った。特別な料理は魚のスープとカボチャの種を砕いた薄焼き。奈緒は木片の笛で、音程の怪しい曲を吹いた。 ひまりは家族への手紙を読み上げた。奈緒も続いた。海の向こうへ届かなくても、言葉は二人の間に残る。夜、星は都会で見るより多く、少し腹立たしいほど美しかった。

第45話 新しい年

2027年1月1日。砂に大きく年号を書き換えた。ひまりは「帰る」、奈緒は「二人で帰す」と今年の目標を宣言した。

一年という単位が現実味を帯び、怖くなった。それでも日付を数えるのはやめない。時間は自分たちを置き去りにするものではなく、帰還へ積み上げる記録だった。

砂に書いた「2027」は、波が届かない高い場所にあった。それでも風で消える前に写真へ残す。ひまりは新年の目標の下へ、毎日の目標も書いた。水、食事、旗、休息。

一年後を考えると怖くなるので、まず一週間先の保存食を整えた。奈緒はカレンダーの四月十八日に小さな丸を付ける。事故から一年の日だ。そこまで島にいると決めたのではない。ただ、いつ救助されても日付を失わないためだった。

新しい年の最初の水を汲みに行くと、礁湖は鏡のように静かだった。二人は普段と同じ量を運び、特別だからと作業を増やさなかった。帰り道、ひまりは砂の「2027」を見て笑う。未来の日付を自分の手で書けたことが、何より新年らしく思えた。

一月一日の欄には、食料と水の残量もいつもどおり書いた。祝う日にも数字を止めないことが、二人の新年の決まりになった。


人物紹介

水城ひまり
物語開始時は十四歳の中学生。観察したことを写真やメモに残す習慣があり、限られた道具を工夫して使う。不安や失敗を隠すのではなく、次の判断材料へ変えながら成長していく。

篠崎奈緒
二十七歳の船客室係。島の反対側で生き延び、第13話でひまりと合流する。応急手当と乗客対応の経験を生かして安全を支えるが、一方的に命令せず、ひまりの意見と成長を尊重する。

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