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【AI連載小説】夕闇ノートと水路町の25日 第10話「知らない校内放送」

夕暮れの清瀬・東久留米を歩く中学生の少女のイラスト AI連載小説

この話はフィクションです。舞台となる町や施設、人物、出来事は創作です。実在する地域・団体・人物とは関係ありません。

第10話 知らない校内放送

月曜の放課後、人気のない廊下に女の子の声が流れた。『ノートを返してください』。放送は一度きりで、職員室の操作記録には何も残らない。澪には声が天井ではなく、資料室の扉の奥から聞こえた。

悠斗と藤崎先生が資料室へ入ると、古いカセットレコーダーの再生ボタンが半分沈んでいた。コンセントは抜け、電池は液漏れしている。それでもリールは、止まったばかりのようにゆっくり回っていた。

テープのラベルには二十五年前の日付と『聞き取り・最終日』の文字。別の機器で再生すると、商店街や暗い道について話す生徒たちの声が続き、最後に同じ少女が『ノートを返してください』と言った。

怖いのは録音内容より、今この時刻に再生されたことだった。棚の埃には新しい指跡があり、作動させた人間がいる可能性は高い。だが壊れた機械がどう動いたかは説明できない。

録音の少女は『沙耶』と呼ばれていた。藤崎先生が古い卒業アルバムを調べると、森戸沙耶という名が見つかる。森戸さんの妹で、卒業直前に水路町を離れた生徒だった。

資料室を出る前、澪はカセットの横に薄い調査ノートを見つけた。表紙には『暗い道をなくす調査』。黒いノートの冷たい紙とは違い、人の手で何度も開かれ、角が丸くなっていた。

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