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青の余白で、生きている。第24話「病気の日」

AI連載小説

【フィクション】本作は架空の小説です。人物、島、船舶、企業、事故、地名、救助活動などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。作中の行動は物語上の描写です。実際の災害時には、公的機関の指示と専門的な安全情報を優先してください。

「青の余白で、生きている。」全50話中 第24話
六月。海難事故で無人島へ流れ着いた中学生・水城ひまりが、水、食料、住居、衣類、通信手段を確保しながら、救出までの一年を生き抜く現代サバイバル連載です。

前話まで

漂着したカボチャの種を、森の縁の土へ植えた。芽が出る保証はない。それでも食べ残しの魚や落ち葉を離れた場所で堆肥にし、水を少しずつ与えた。 数日後、緑の双葉が開いた。収穫より先に、その形が未来だった。ひまりは毎朝「おはよう」と声をかけ、奈緒は植物に敬語なのが面白いと笑った。

第24話 病気の日

ひまりが発熱した。奈緒は食事を軽くし、水分を少しずつ渡し、体温と意識の状態を記録した。無理に動かさず、日陰と風通しを整える。

夜、ひまりは母を呼んだ。奈緒は母親のふりをせず、「ここにいるよ」とだけ答えた。翌朝、熱は下がった。ひまりは弱ったことを謝り、奈緒は生き物は休むものだと叱った。

熱が上がる前、ひまりは食欲がないことを隠そうとした。作業を減らせば奈緒の負担が増えると思ったからだ。けれど水を持つ手が震え、すぐ見つかった。

奈緒は体温、飲んだ量、返事の様子を紙へ書き、悪化した場合に使う救難用品を手元へ置いた。眠りから覚めるたび「朝?」と聞くひまりへ、時刻と天気を同じ声で答える。熱が下がった朝、ひまりは最初に「隠してごめん」と言った。

熱が下がった午後、ひまりは水を運ぼうとして立ちくらみを起こした。奈緒は叱らず、空の容器だけを持たせて小屋の周りを一周させる。戻るころには息が上がっていた。元気になった気持ちと、回復した身体は同じではない。ひまりはその差を認め、もう一度横になった。

奈緒は空になった水の器へ、飲んだ時刻ごとに小石を入れた。数を見れば、熱でぼんやりしたひまりにも次の一口までの間隔が分かった。


人物紹介

水城ひまり
物語開始時は十四歳の中学生。観察したことを写真やメモに残す習慣があり、限られた道具を工夫して使う。不安や失敗を隠すのではなく、次の判断材料へ変えながら成長していく。

篠崎奈緒
二十七歳の船客室係。島の反対側で生き延び、第13話でひまりと合流する。応急手当と乗客対応の経験を生かして安全を支えるが、一方的に命令せず、ひまりの意見と成長を尊重する。

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