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放課後、数字の向こう側。第7話「三つの届け先」

雨の日の体育館へ異なる調達先の物資を運ぶ黄色いレインコート姿の相沢澪 AI連載小説

【フィクション・投資に関する注意】
本作は架空の小説です。人物、企業、商品、学校、出来事などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。本作は特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクがあります。実際の判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

『放課後、数字の向こう側。』全30話中 第7話

高校二年生の相沢澪が、身近な出来事を入り口に、投資と経済の仕組みを一つずつ確かめていく連載です。

前話まで
ヨーグルトの内容量から費用と利益を、祖母の計算表から複利と時間を、ゲーム代からサンクコストを、母の議決権行使書から株式を持つ意味を、カフェの冷蔵庫故障から借入の利息と手元資金を、歓迎会の飾りから為替と輸入価格を確かめた。

第7話

土曜の朝、雨粒が体育館の屋根を絶え間なく打っていた。慈善バザーの開場まで三時間。受付に届いたのは、遠方の業者からの「大雨で配送遅延」という連絡だけだった。値札を貼る袋も、焼き菓子を並べる箱も、展示用の台紙も、安くなるからと全部そこへ頼んでいた。

実行委員の机で、会計係が青ざめた。「届かなかったら、何も出せない」

黄色いレインコートの裾から雨を落としながら来た澪は、注文表を品目ごとに切り分けた。必要な袋は二百枚、箱は四十個、台紙は三十枚。近所の文具店なら袋と台紙は今すぐ買える。箱は校内倉庫の備品を借り、不足する十個だけ別の小さな店へ頼めそうだった。

「でも、まとめ買いより千二百円高いよ」と会計係が言う。

澪は隣に、全部届かず中止になる場合を書いた。集める予定の寄付金、準備に使った材料、来場者への連絡。千二百円は惜しい。それでも一か所が止まれば全部が止まる組み方より、入手先を分けた方が、どれかが遅れても売り場の一部は開けられる。

投資の資料で見た「分散」も同じ発想だった。異なる資産や発行元へ分けるのは、必ず利益を増やす魔法ではない。全部が同時に下がることもある。ただ、一つの不調だけで全体が立ち行かなくなる危険を小さくする。逆に一つへ集めれば、うまくいった時の影響も、失敗した時の傷も大きくなる。

委員たちは三方向へ走った。昼前、借り物の箱と色の違う袋が長机に並び、遅れていた荷物も半分だけ届いた。澪は濡れた傘を畳み、余った新品の箱を倉庫へ運ぶ。開場のベルが鳴ると、不揃いな売り場の前に最初の客が足を止めた。

人物紹介
相沢澪(あいざわ・みお)
十六歳の高校二年生。身近な違和感を放置できず、分からない数字は自分で確かめたくなる性格。投資経験はない。
バザー実行委員
慈善バザーの準備を担う生徒たち。限られた予算と時間の中で、澪と調達方法を組み直す。

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