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青の余白で、生きている。第17話「衣類を作り直す」

AI連載小説

【フィクション】本作は架空の小説です。人物、島、船舶、企業、事故、地名、救助活動などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。作中の行動は物語上の描写です。実際の災害時には、公的機関の指示と専門的な安全情報を優先してください。

「青の余白で、生きている。」全50話中 第17話
五月。海難事故で無人島へ流れ着いた中学生・水城ひまりが、水、食料、住居、衣類、通信手段を確保しながら、救出までの一年を生き抜く現代サバイバル連載です。

前話まで

小屋を広げ、寝床を二つに分けた。中央には濡れ物を干す場所を作り、食料は蓋付き箱へ入れる。火は小屋から離し、消火用の砂と水を置いた。 奈緒が入口に「青葉荘」と書いた板を掛けた。家賃は魚一匹、と笑う。ひまりは遭難後初めて声を出して笑い、その音に自分で驚いた。

第17話 衣類を作り直す

制服は擦れ、塩で硬くなっていた。奈緒は救急箱の針と糸で裂け目を繕い、漂着した速乾シャツをひまりの寸法に詰めた。肌に当たる部分は柔らかな布を重ねる。

日差しを避ける帽子、手を守る布、足を傷つけない靴。見た目より乾きやすさと交換しやすさが大切だった。洗濯日は交代で一組を着て、一組を真水ですすいだ。

服を切る前に、奈緒は炭で線を引いた。ひまりは「失敗したら着る物が減る」と緊張したが、奈緒は端布で縫い方を試してから本番へ進んだ。袖を短くしすぎず、日差しと虫から肌を守れる長さを残す。

洗った制服が風に揺れると、学校だけが遠くへ干されているようだった。ひまりは胸の名札を外さなかった。帰ったときに同じ制服を着るつもりはなくても、自分の名前がここにあることを確かめたかった。

針を通した布は、制服の色とも漂着服の色とも合わなかった。奈緒は「島限定のデザイン」と笑い、ひまりも袖を上げてみせる。縫い目は曲がっていたが、腕を動かしても裂けない。鏡のない場所で、互いの姿を確かめ合うことが試着の仕上げになった。

切り取った端布は捨てず、指へ巻く保護布と補修用の当て布に分けた。服を作り直した後にも、布の役目はいくつも残っていた。


人物紹介

水城ひまり
物語開始時は十四歳の中学生。観察したことを写真やメモに残す習慣があり、限られた道具を工夫して使う。不安や失敗を隠すのではなく、次の判断材料へ変えながら成長していく。

篠崎奈緒
二十七歳の船客室係。島の反対側で生き延び、第13話でひまりと合流する。応急手当と乗客対応の経験を生かして安全を支えるが、一方的に命令せず、ひまりの意見と成長を尊重する。

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