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青の余白で、生きている。第5話「島の輪郭」

AI連載小説

【フィクション】本作は架空の小説です。人物、島、船舶、企業、事故、地名、救助活動などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。作中の行動は物語上の描写です。実際の災害時には、公的機関の指示と専門的な安全情報を優先してください。

「青の余白で、生きている。」全50話中 第5話
四月、漂着直後。海難事故で無人島へ流れ着いた中学生・水城ひまりが、水、食料、住居、衣類、通信手段を確保しながら、救出までの一年を生き抜く現代サバイバル連載です。

前話まで

ライターは濡れて点かなかった。枝も湿り、火は起こせない。ひまりは乾いた葉を服の内側で温め、明日の火口にすることにした。 制服のブラウスは冷えたので脱ぎ、漂着した薄手のウインドブレーカーを重ねた。暗闇では波音が獣の息に聞こえた。スマホのライトは一分だけ。消した後も、光の四角がまぶたに残った。

第5話 島の輪郭

朝、ひまりは高みに登った。島は歩いて回れそうな大きさで、中央に低い森、南に礁湖、北に切り立った岩場がある。遠くに陸影はなかった。

地図アプリは地図を読み込めない。それでも写真を撮り、目印に番号を付けた。浜を「はじまり浜」、丘を「アンテナ丘」と名付ける。名前を付けると、恐ろしい場所が少しだけ地図になった。

丘へ続く斜面では、折れた枝を目印にした。下り道で景色が逆になると、同じ道でも見失うからだ。頂上から見えた海は、どの方向にも途切れなかった。島の小ささを知った瞬間、ひまりの胸はかえって重くなった。

それでも、南の礁湖は波が穏やかで、森の東端には鳥が集まる場所があった。帰り道、彼女は地図の余白へ危険な崖を赤、使えそうな場所を青で記した。圏外の端末に、自分だけの地図が少しずつ現れた。

丘を下りる前、ひまりは海岸線を指でなぞるように撮影した。崖の陰になる浜、白波が途切れる礁湖、背の高い木が三本並ぶ場所。帰り道で迷ったとき、画面の中の輪郭と実際の景色を照らし合わせる。島を知ることは、閉じ込められた広さを測ることでもあった。

地図には島の外側だけでなく、戻れなくなりそうな急斜面も太く描いた。使える場所より危険な場所を先に知る方が、次の探索を長く続けられる。


人物紹介

水城ひまり
物語開始時は十四歳の中学生。観察したことを写真やメモに残す習慣があり、限られた道具を工夫して使う。不安や失敗を隠すのではなく、次の判断材料へ変えながら成長していく。

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