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青の余白で、生きている。第38話「修理する手」

AI連載小説

【フィクション】本作は架空の小説です。人物、島、船舶、企業、事故、地名、救助活動などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。作中の行動は物語上の描写です。実際の災害時には、公的機関の指示と専門的な安全情報を優先してください。

「青の余白で、生きている。」全50話中 第38話
九月。海難事故で無人島へ流れ着いた中学生・水城ひまりが、水、食料、住居、衣類、通信手段を確保しながら、救出までの一年を生き抜く現代サバイバル連載です。

前話まで

夜の水平線に白い点が動いた。船か、星か。ひまりは火へ生葉を入れ、奈緒はライトで規則的に合図した。 光はしばらくして消えた。返事はなかった。翌朝の落胆は大きかったが、二人は信号手順を改善した。見逃された夜を、次に見つけられる準備へ変えた。

第38話 修理する手

ソーラーパネルのケーブルが断線しかけた。ひまりは被覆を慎重に整え、漂着した電気部品とテープで固定した。濡れない箱を作り、接続部を守る。

充電表示が戻る。技術は都会だけのものではない。観察し、試し、記録し、危険なら止める。その姿勢自体が、島で役に立つ技術だった。

断線箇所を見つけても、すぐ触らなかった。パネルを日陰へ移し、バッテリーから外し、接続順をメモする。ひまりは学校の理科室で先生に「電気は見えないから、切ったつもりが一番怖い」と言われたことを思い出した。

固定したケーブルを引っ張らず、まず短時間だけ接続する。表示が戻っても二人は歓声を抑え、熱や匂いの変化を待った。異常がないと分かってから、ひまりは修理箇所の写真を撮った。

修理した箇所へ手を近づけると、わずかな熱があった。二人は充電を止め、さらに時間を置く。表示が戻った喜びより、発火させないことを優先した。冷えてから接続時間を半分に区切ると、異臭も熱も出ない。直ったではなく、使える条件が分かったと記した。

補修に使った素材と巻いた回数を、写真の横へ書き添えた。外れた場合でも、どこまで戻せば安全か二人のどちらにも分かるようにした。


人物紹介

水城ひまり
物語開始時は十四歳の中学生。観察したことを写真やメモに残す習慣があり、限られた道具を工夫して使う。不安や失敗を隠すのではなく、次の判断材料へ変えながら成長していく。

篠崎奈緒
二十七歳の船客室係。島の反対側で生き延び、第13話でひまりと合流する。応急手当と乗客対応の経験を生かして安全を支えるが、一方的に命令せず、ひまりの意見と成長を尊重する。

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