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放課後、数字の向こう側。第4話「一票のある食卓」

台所で餃子を包みながら母の株主書類を見るエプロン姿の相沢澪 AI連載小説

【フィクション・投資に関する注意】
本作は架空の小説です。人物、企業、商品、学校、出来事などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。本作は特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。投資には元本割れなどのリスクがあります。実際の判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家へご相談ください。

『放課後、数字の向こう側。』全30話中 第4話

高校二年生の相沢澪が、身近な出来事を入り口に、投資と経済の仕組みを一つずつ確かめていく連載です。

前話まで
ヨーグルトの内容量から費用と利益を、祖母の古い計算表から複利と時間を、ゲーム代からサンクコストを確かめた。

第4話

夕食の餃子を包んでいた澪は、母が買い物袋と一緒に置いた封筒へ目をやった。宛名の脇に、地元の包装材会社「青葉パック」の名がある。

「株主総会の案内。お母さん、そこの人なの?」

母は手についた粉を払い、「社員じゃなくて、少しだけ株を持ってるの」と封を開いた。中には議決権行使書と、プラスチック使用量を減らす設備への投資を求める株主提案が入っていた。

澪は、冷蔵庫にある同社の保存袋を思い出した。客なら、薄すぎる袋は買わないとか、環境に配慮した商品を選ぶとか、売り場で意思を示せる。けれど母の紙には、会社の方針に賛成か反対かを選ぶ欄がある。

「一枚持ってたら、会社を好きにできるの?」

「まさか。株数に応じた一票の一部。ほかの株主と決めるの」

株を持つことは、値段が上がるのを待つだけではない。会社の一部を持ち、利益が出れば配当などで受け取れる場合があり、総会では議案に票を投じられる。その代わり、業績が悪ければ価値が下がり、配当がないこともある。

母は提案書と会社側の意見を食卓の端へ並べた。環境負荷は減らしたい。でも新設備の費用で利益が減るかもしれない。澪は餃子の皮を一枚破り、「買う側なら緑の印だけ見てたかも」と言った。

母は今夜すぐ決めず、設備費と削減量をもう一度読むことにした。焼き上がった餃子を皿へ移す間、澪は空になった包装をすすぎ、材質表示を確かめてから分別箱へ入れた。

人物紹介
相沢澪(あいざわ・みお)
十六歳の高校二年生。身近な違和感を放置できず、分からない数字は自分で確かめたくなる性格。投資経験はなく、日常の出来事から経済の見方を学び続けている。

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