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青の余白で、生きている。第42話「届いた一行」

AI連載小説

【フィクション】本作は架空の小説です。人物、島、船舶、企業、事故、地名、救助活動などはすべて創作であり、実在のものとは関係ありません。作中の行動は物語上の描写です。実際の災害時には、公的機関の指示と専門的な安全情報を優先してください。

「青の余白で、生きている。」全50話中 第42話
十一月。海難事故で無人島へ流れ着いた中学生・水城ひまりが、水、食料、住居、衣類、通信手段を確保しながら、救出までの一年を生き抜く現代サバイバル連載です。

前話まで

嵐で羽を傷めた海鳥が浜にいた。ひまりは助けたかったが、奈緒は野生動物へ不用意に触れないよう止めた。距離を取り、近くの危険な漂着網だけを除く。 数日後、鳥は自分で海へ戻った。救うことは、必ずしも抱き上げることではない。見守り、邪魔を減らすことも助けなのだとひまりは学んだ。

第42話 届いた一行

十一月の朝、丘でスマホが一瞬だけ震えた。時刻の自動補正。電波表示はすぐ消えたが、通信網に触れた証拠だった。

ひまりは保存していた短いメッセージを送信待ちにし、位置情報と二人の名前を最初に置いた。長い思いより、救助に必要な一行を優先する。送信表示は回り続けた。

震動は一度だけで、画面上部の時刻が数分変わった。ひまりは興奮してアプリを開きかけ、奈緒に止められる。まず送る文を短くし、位置情報の表示を確かめる。

電波はすぐ消えた。送信待ちの印だけが残る。ひまりは端末を空へ掲げ続けず、決めた時間で電源を落とした。可能性が生まれた日だからこそ、電池を使い切らない。その夜は二人とも眠れなかった。

送信待ちの印を確認したあと、端末を防水袋へ戻す手が震えた。もう一度電源を入れれば、結果が変わる気がしてしまう。奈緒は時刻を紙へ書き、次に確認する時間まで袋を道具箱へしまった。希望を守るには、触らず待つ時間も必要だった。

通信が触れた場所へ、小さな石の輪を作った。次回は端末を掲げて歩き回らず、その中心で短時間だけ確認できるようにした。


人物紹介

水城ひまり
物語開始時は十四歳の中学生。観察したことを写真やメモに残す習慣があり、限られた道具を工夫して使う。不安や失敗を隠すのではなく、次の判断材料へ変えながら成長していく。

篠崎奈緒
二十七歳の船客室係。島の反対側で生き延び、第13話でひまりと合流する。応急手当と乗客対応の経験を生かして安全を支えるが、一方的に命令せず、ひまりの意見と成長を尊重する。

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